登場人物は60人以上?!ドキュメンタリー展開が面白い宮部みゆき【理由】

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小さい頃から本が大好きで、読んだ本は100冊以上!
特に好きなミステリ小説の中から、stay home中におすすめの本を厳選しました☆


今回は、夢中になって一気に読み切れる作品を紹介します♪

タイトル:理由
著者:宮部みゆき
発行年:1998年
所要時間:休日の2日で読める本

宮部みゆきとは?

1960年生まれの女性小説家。
一般の企業勤めをしながら小説を書き始め、1987年にデビュー。
推理小説、時代小説、ファンタジーなど幅広いジャンルの作品を発表している。

今回紹介する『理由』は1996年9月から1年間「朝日新聞」の夕刊に連載された作品で、1998年に単行本として発行された。
第120回直木三十五賞を受賞した。

宮部みゆき『理由』のあらすじ

荒川にできた高級高層マンションの25階で殺人事件が起きた。
部屋の中に3人、外で転落死した人が1人。

被害者はその部屋に住む家族だと思われたが、住んでいたのは名義人とまったく関係ない4人だった。

彼らはなぜ家族を装って生きていたのか?
なぜ事件は起きたのか?

マンションの住人、被害者の家族、さまざまな視点から事件の全貌を明かしていく、ドキュメンタリー風の小説です。

血のつながりや、家って何だろう?と考えさせられる作品です!

勉強になる!競売物件・占有屋ってなに?

宮部みゆきさんの作品は、時事問題やそのときの社会現象などに切り込んでいるものが多いです。

『理由』はバブルがはじけた7年後に新聞連載が始まりました。
舞台となった荒川の高層マンション”ヴァンダール千住北ニューシティ”は、地上25階建てで東西に棟がある豪華なつくりです。
景気がよかった昭和の終わりに建設が始まり、バブル崩壊の時期に住民が入居するというタイミングでした。
バブルで浮かれてマンションを購入したが、その後の不景気で手放す人も多かったと記述があります。

マンションを購入する際、一番価格が高いのが新築のとき。その後価格はどんどん低下していきます。
途中でローンの返済ができなくなった場合は、不動産競売にかけられ所有者の意思にかかわらず裁判所に差し押さえされるそうです。

事件の起きたのも、そういう経過をたどった部屋でした。
競売にかけられ出ていかなければならないのに、どうしてもこのマンションに住み続けたい。
そんな時に使われた裏技が”占有屋”です。

占有屋:競売にかけられた物件に居座って、膨大な立ち退き料を要求する人。ニセの賃貸借契約を結んでいるケースが多く、占有屋の排除には訴訟を起こす必要があるなどかなりやっかいな存在。

実際に占有屋が発端となった殺人事件も発生したそうです。ただ、2003年に民法が改正され占有屋の存在価値がなくなったので、それ以降はいなくなったのではと思われます。

ミステリでありながら、社会勉強にもなる一石二鳥な作品です。

幸せな家族・不幸せな家族の対比が切ない

あなたにとって家族とはどういう存在でしょうか?

顔を見るとほっとする存在
親が厳しくてできれば顔を合わせたくない
子供との関係が上手くいかなくて悩みの種

人の数だけ”家族”という言葉の解釈があります。

家族という言葉を聞いて、幸せなイメージが浮かんだ人はとても恵まれています。
なぜなら日本で起こる殺人事件の半数は家族間で起こるものだからです。
一番近い存在だからこそ許せない。家という小さな箱の中に、複雑な人間関係がある家庭も多いのだと気づかされます。

『理由』には、たくさんの家族が登場します。
小さないざこざはあっても、家族の絆が強い片倉家、宝井家。反対に、表面的な問題はないけど中では冷え切っている小糸家。
そして家族でもないのに同じ家に住むマンションの4人。他にもさまざまな家族の話が出てきます。

大量の家族のサンプルを見て、幸せな家族の共通点を見つけました。
それは、心の通った会話があるということです。

一緒に住んでいるだけでは、家族とは呼べない。血のつながりよりも、心のつながりの方が大事だと教えられた気がします。

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